7月後半に行われたアーキエイド主催の復興支援キャンプの活動の継続として、昨年10月18日から2日間、再度現地に訪れましたので、そのご報告をさせていただきます。(キャンプの詳細についてはアーキエイドのHP http://archiaid.org/ 、および9/10のレポートをご参考ください。)
7月のキャンプ以降もアーキエイドをはじめ、サマーキャンプに参加した建築家と学生が精力的に牡鹿半島の復興に向けた活動を続けてきました。8月には、15大学それぞれが作り上げた浜ごとの調査資料をアーキエイドが取りまとめ、石巻市に提供しました。また、8月6日から3ヶ月間、横浜の新・港村にてサマーキャンプの展示および数多くのトークイベントなどが催され、多く方からの関心を得ることもできました。
今回の目的として、僕たちは7月に塚本研究室がサマーキャンプで担当した浜の住民と行政、土木コンサルタントの方を含めた話し合いの場に参加して、具体的な移転候補地の検討を中心とした意見交換会と候補地の踏査を行うことです。1日目に僕たちが以前提案した高所移転候補地をたたき台に、住民・行政・土木コンサルタント・アーキエイドと共に地図などをもとに再確認しました。2日目に現地踏査を通して、海抜・土地所有権・海への眺めと距離・具体的な配置計画の可能性など、さまざまな観点から意見を交わしながら、現段階での候補地を決めることができました。
以下写真を交えながら、二日間の活動について紹介させて頂きます。
1日目、牡鹿半島の旧大原中学校で行われた意見交換会。
浜ごとに分かれての移転候補地に関する意見聴取。
以前に塚本研が作成した計画案をたたき台に、移転候補地についての議論。
2日目、現地踏査。(鮫浦)
土地の所有区分を明記した「図郭毎集成図」を用いての移転候補地に関する話し合い。
ヤマヒル対策のため、脚をビニールとガムテープで防護。
高台移転候補地の地形を理解するため、山林の中を歩き回る。
移転候補地となった海抜30mの休耕田。
現地踏査をしながら、みんなで気づいた情報や新たな提案をどんどん手元の地図に書き加えていく。
住民と行政の方が移転のビジョンについて細かく話し合う場面も。
3ヶ月前、浜全体に散らばっていた瓦礫もようやく片付いてきた。
帰り道、表浜に回り込むと、夕日に染められた浜の風景を目の当たりにして思わず車を止めた。この美しい場所に一日でも早く人々が戻り、生活を始められることを心より願い、その実現を陰ながら支えていきたい。