東工大建築学専攻塚本研の活動をレポートしていきます。

2014年6月3日火曜日

うさぎスマッシュ展


こんにちは。修士2年の鈴木志乃舞です。
今回は、昨年のうさぎスマッシュ展(2013.10.3-2014.1.19)にて東京工業大学塚本研と筑波大学貝島研で共同制作したパブリックドローイング、『1000年に学ぶ。戻って住む。忘れない。』について報告します。


このパブリックドローイングは、東日本大震災後の夏に刊行されたJA82に掲載したドローイングが元になっています。オリジナルドローイングの大きさはA0ですが、展示用に新たに制作したものは約4倍の大きさの約3×mというとても巨大なサイズです。

両研究室交えて議論を重ねた結果、オリジナルドローイングから今回のパブリックドローイングへはいくつかの変化を盛り込むことにしました。フィリピンのコルディリェーラの棚田群やフランスのポン・デュ・ガール、イギリスのポントカサステ水路橋といった世界遺産のほか、牡蠣養殖棚など、浜に暮らすひとびとの生業が垣間見れる風景やコアハウスを新たに描き加えています。
これは、オリジナルのドローイングを描いた震災直後からおよそ2年、その間に塚本研や貝島研が東北の復興に携わることで学んだ知識や経験を反映させたいという思いからです。





納得がいくまで何度も描いて消して描いてを繰り返し、連日締め切り直前まで塚本研と貝島研のみんなで描き続けました。

結果、見る人を圧倒する迫力を持ちながら細部隅々まで見応えがある作品をつくることができたのではないでしょうか。




長い歴史をもつ世界遺産の知性を復興に導入し、再び戻って住める街、津波を忘れない街というものをもう一度みんなで考え、2年半がたった今だからこそ描ける風景となっています。

以上、うさぎスマッシュ展の報告でした。

都市神田学


こんにちは。修士2年の鈴木志乃舞です。
20131027日から1117日の期間、アーツ千代田3331で行われた『メイドイン神田』展にて私たち東京工業大学塚本由晴研究室と大佛俊泰研究室が一緒に取り組んだ『都市神田学』の展示について報告します。



都市神田学は、神田のまちのフィールドワークです。神田のまち歩きを通して出会った興味深い建物のドローイングや、地図、資料、神田にまつわる小説などを集めて展示しました。


さらに、大佛研に協力していただき、ビッグデータをもとにした一日の人の動きのシミュレーション動画を神田の一角の模型にプロジェクションしました。



100年(歴史、小説、地図)、50年(建築)、1日(ビッグデータ)といった異なった時間尺度をあてることで、神田を覆う折り重なった時間のレイヤーを剥がし、都市を観察しようという試みを行っています。





また、会期中には神田まち歩きワークショップを2回行ない、参加者の皆さんとともに神田を歩きながらまちを観察し、そこで見つけたおもしろい建物をドローイングにしてもらうという、研究室で私たちが日頃行っているような都市観察・アウトプットのプロセスを体験してもらいました。これは建物のポートレイトをつくることで神田の人々の空間実践の積み重ねを捉えようとしたものです。ドローイング後は講評を行ない、議論を交わした上で加筆や修正をしながらドローイングをさらにブラッシュアップするという、かなり濃密なワークショップとなりました。



みなさんのドローイングはワークショップ後に作品として壁に展示しました。ワークショップを終える度に展示空間が成長していき、徐々に空間が出来ていくような生きた展示になったのではないかと思います。

はじまったばかりの「都市神田学」、今後もさまざまな取り組みを神田の方々とともに行っていきたいと思います。どうぞ宜しくお願い致します。

以上、都市神田学の報告でした。