こんにちは。修士2年の鈴木志乃舞です。
今回は、昨年のうさぎスマッシュ展(2013.10.3-2014.1.19)にて東京工業大学塚本研と筑波大学貝島研で共同制作したパブリックドローイング、『1000年に学ぶ。戻って住む。忘れない。』について報告します。
このパブリックドローイングは、東日本大震災後の夏に刊行されたJA82に掲載したドローイングが元になっています。オリジナルドローイングの大きさはA0ですが、展示用に新たに制作したものは約4倍の大きさの約3×5mというとても巨大なサイズです。
両研究室交えて議論を重ねた結果、オリジナルドローイングから今回のパブリックドローイングへはいくつかの変化を盛り込むことにしました。フィリピンのコルディリェーラの棚田群やフランスのポン・デュ・ガール、イギリスのポントカサステ水路橋といった世界遺産のほか、牡蠣養殖棚など、浜に暮らすひとびとの生業が垣間見れる風景やコアハウスを新たに描き加えています。
これは、オリジナルのドローイングを描いた震災直後からおよそ2年、その間に塚本研や貝島研が東北の復興に携わることで学んだ知識や経験を反映させたいという思いからです。
納得がいくまで何度も描いて消して描いてを繰り返し、連日締め切り直前まで塚本研と貝島研のみんなで描き続けました。
結果、見る人を圧倒する迫力を持ちながら細部隅々まで見応えがある作品をつくることができたのではないでしょうか。
長い歴史をもつ世界遺産の知性を復興に導入し、再び戻って住める街、津波を忘れない街というものをもう一度みんなで考え、2年半がたった今だからこそ描ける風景となっています。
以上、うさぎスマッシュ展の報告でした。